僕だけの瑠璃色
言うな、って言ったじゃない。

私は、パパの恋に、邪魔な存在なんだから。

絶対言うな、って。

頷いたじゃない。

嘘つき。




嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき。













「………娘、さ、ん…?」


「あ、実は今も自分の部屋にいるんです。人見知りなので、なかなか出てこないんですが」


「………娘、さんって…このまえ…」






少しだけ開けていた、涼しい風を入れるための窓のカーテンが、揺れた。

ガラスの窓も、一緒に、揺れた。

ガタガタと、揺れ出した。

食器棚がカタカタと音をたてる。

体が揺れる。

電子レンジの蓋が開いて、中の耐熱皿がゴトリと床に落ちる。




「じ、地震…?!」


「えっ…きゃ…!」



ガターン!と激しい音をたてて、リビングのドアが開いた。

近くにいた清美さんが小さな悲鳴を上げる。



「清美さん…危ない…!」



家具逹が揺れる中、パパは清美さんを守るように抱き締めた。

そして、




「瑠璃!こっちへ来なさい…!」



豪快に開け放たれたリビングのドアの向こうで突っ立っている私の名を呼ぶの。


パパ、パパ、パパ……





パパの……















「嘘つきっ!!」




私は、揺れる中、パパに向かって、叫んだ。


パパは一瞬悲しそうな顔をして、私に手を伸ばしたけれど、

私は二人を睨んで、自分の部屋に駆け込んだ。







「瑠璃!待ちなさい!瑠璃…!」














私が部屋に飛び込んだとほぼ同時に、地震は止んだ。




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