巡る巡る
「……お、じゃまします…。」
自分でも分かるくらい、おどおどしながら
遠慮がちに彼の隣に並んだ。
「ん。」
……嘘みたい……。
今、
あたし、高山君と…
相合傘してる……。
心臓がドキドキいいすぎて五月蝿いし、隣の高山君に聞こえちゃいそう。
息を吸うことさえいっぱいいっぱい。
少し動けば
触れてしまいそうな肩。
小さなビニール傘は、
いくらか窮屈で…
肩が少し、でてしまう。
そっと隣を見たけれど、
高山君の肩も濡れていて…、
……きっと……、
もっと近づいたら、
二人とも、濡れずにすむんだろうな……。