巡る巡る
「………好きなの…!」
耳に届いたのは女の子の声。
高山君を探して、廊下を歩いていたあたしは
その声が聞こえてきた空き教室の手前で足を止めた。
…告白だ…っ。
真っ只中のその前を無遠慮に通るわけにもいかずに、
だけど何故か立ち去ることも出来ないままその場から動けなかった。
…これじゃあ盗み聞き…。
ダメだって分かってるのに。
告白している女の子に、
これから告白をする自分を勝手に重ねて、
ちょっとした仲間意識を抱いてしまった。
まるで自分のことのようにドキドキしていた。
ここからでは見えない2人の姿。
息を飲んで男の子の返事を待った。
「……ごめん。
…受け取れない…。」
聞こえてきたのは、
恋い焦がれた貴方の声だった。