とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「お嬢ちゃんも・・良枝の知り合いかえ?」
『良枝?・・・あぁ・・もしかして亡くなった金子さんの奥さんのコト?』
かなり背中の丸まっている老婆は 疑わしい目で由里を見上げている
「いえ・・・あの・・・金子さんって男のひと探してて・・・」
「カネコ?カネコになんの用事じゃ」
老婆は一層片方だけの眉をつり上げて由里を覗き込んだ
「あ・・・あの・・・実は・・・5日ほど前に・・・わたし・・・あっちの通りで倒れて・・・それで・・・その・・・金子さんって・・男の人が私を助けてくれたって・・・聞いたんで・・・」
由里はたじたじになり やっと最後まで言葉を繋いで話せた風だった
それを聞くと 老婆はまぶたの垂れている目を大きく見開いてみせた
「おぉーあんたかい!暗い時に倒れとった娘さんいうのは!!」
「は・・・はぁ・・・」
由里は片方の頬をひきつらせ苦々しく笑った
「金子はあたしの息子だ!」
そう言い放つと 老婆は1人歩き出した
由里は歩いていく老婆の丸い背中をジッと眺めた
「・・・何キョトンとしよるじゃ!金子に会うんじゃろ さっさとついてこんかい」