とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「は?!・・はぁ・・・」



少々強引な態度の老婆に閉口しながらも 由里は『金子さん』に会うという目的に一歩一歩近づいている緊張感に身を包んでいた



「ここじゃ」



老婆の後を付いていった由里は アンティークショップの前で立ち止まった老婆と同時に足を止めた

1Fはこぢんまりとしたアンティークショップ 2Fと3Fは自宅といった感じだった


カランカラン・・・・

アンティークショップの趣のあるきの扉を手前に引くと アルプスの少女ハイジに出てくる牛たちが首に下げているような 大きな深い鈴が音を心地よく響かせた

もっとも由里の歳でアルプスの少女ハイジを知っている女子は殆どいない

由里の母親の趣味で小さい頃から 由里はハイジのビデオを観て育ったのだった



「いらっしゃいませ」



店の奥にあるレジの辺りから 低い男性の声が聞こえた
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