とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「おばちゃんっ!もうすぐだね!」
女の子はワクワクした表情で良枝の手をぷらぷらと揺さぶってきた
「そう・・・みたいね・・・」
良枝は暗い闇のような とてつもなく大きな門の前に女の子と並んでいた
良枝と女の子が到着した時にはすでに沢山の人がこの門の前に並んでいた
そして
ようやく次は良枝たちの入る順番が回ってきたのだ
良枝はもう すでに何の感情も無かった
嬉しさも 悲しさも 喜びも 怒りも・・・
全てどこかに置いてきたようだった
「次!入れ!」
大きな身体の それこそ昔 絵本で見た鬼のような形相の男が 良枝と女の子に指図した
「おまえは何故ここへ来たのか理由を言ってみろ!」
恐ろしい顔の大男は 今にも良枝たちを取って食わんばかりの勢いで尋ねてきた
すると先に女の子が答えた
「わたし・・・生まれてすぐにお母さんに捨てられたの
でも誰かが拾ってくれて わたしを5才まで育ててくれたんだけど
わたしが流行り病にかかった時に お金がかかってしまうし移るからって またどこかへ捨てられたの
それからこんなに病気にかかりやすい子供だと 仕事を手伝ってもらえないから養う意味がないとも言われました
だからわたしは すごく苦しくてすごくお腹がすいてたまらなかったけど ある時から急に体が軽くなって動けるようになったんだけど
自分がどこに行ったらいいのか分からなくて ずっと1人でいたの
そしたら男の人が来て 公園という所に連れて行ってくれたの
そこにはお友達が沢山いて
そこで遊んでいたら 自分の行く場所に案内してくれる人が来てくれるから・・・って
順番だったから・・・わたし・・・ずーっと待ってたの!
そしてやっと おばちゃんに連れてきてもらったんだ!」