とおりゃんせ2~日村令子の場合~

夫の母親が連れてきたのは 若い女の子だった



「めずらしいわね・・・ お義母さまがこんなに若い子を連れてくるなんて・・・」



良枝は必死に話している内容を聞こうとするが 灯りの中は『見る』ことは出来ても『聞く』ことは一切出来ないでいた

灯りの中の彼らは 口をパクパクさせながら なにやら意味深な話しをしているようだった



「なに・・・?なんて言っているの?」



良枝は3人のやりとりが気になって仕方がなかった


そのうち 夫の母親は2Fに上がり女の子と夫の2人だけになった


良枝の愛した夫は 時折目を潤ませながら女の子に微笑みかけている


「なんなの?・・・もしかして・・・もしかして・・・もう他の女の人と仲良くなろうとしているの?」


良枝は心の奥から 今まで生きていた時でさえ 感じたことのない感情が メラメラと燃え出すのが自分でも分かった



「いやよ!許さないわ!こんなに早く女性を作るなんて・・ほら また笑いかけたりして・・・」



良枝の心を『嫉妬』という炎がじわじわと埋めていく



「ハッ・・・待って・・・!それだけは止めて!お願い!それは渡さないで!!お願いだから・・・」



たった今良枝の目に映っているのは クリスタルを手に取った夫の姿だった
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