とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「いや!!ダメよあなた・・・何をしているの?知ってるくせに・・・知ってるくせに・・・私があの置物をどれだけ大事にしていたか・・・知ってるくせに・・・」
良枝は同じ言葉を何度も繰り返したが 良枝の願いは届かなかった
良枝の目の前で 夫は見ず知らずの女に 良枝の最も大事にしていたモノを手を取って握らせたのだ そしてそれをそのままその女性に渡してしまった
「いやーーーーーっっっ!!取り返してちょうだい!取り返してっ!取り返せぇーーーーっっ!!」
良枝は髪を振り乱し いまや修羅の形相でその光を睨みつけていた
目を反らす事など出来るはずも無かった
その部分以外は全くの『無』だからだ
良枝の心の中は完全に嫉妬の炎が占領していた
「許さない・・・許さない・・・覚えていらっしゃい・・・必ず・・・必ず目に物みせてやる!!」
良枝の目の前では 良枝の最も傷ついたシーンが何度も何度も終わることなく繰り返されていた
「まぁ・・・まずはこんな所かな・・・」
ナルゴは違う場所に居ながらも 2人の行動をテレビでも見るかのように見ていた