とおりゃんせ2~日村令子の場合~

「久しぶりだな・・令子」


「ええ…久しぶりね」


目の前の長い黒髪の女性は『令子』というらしい

令子は コートの男には目もくれず

バックから取り出した紙を広げだした


「令子…いつまでもそんなつまらない事をやっていないで

いい加減 私たちの仲間に入らないか?

いい時期だと思うが・・・

それだけの能力を持っていながら

オマエはまだまだそんな程度の扱いだ!

私たちなら オマエにもっと凄いモノを見せられる…

どうだ?こちら側に来ないか?」


コートの男は 何やら令子を口説いているようだ


「おあいにく様!

私は 私のやるべき事をやるわ

ただそれだけよ

なんならナルゴ・・・

あなたも一緒に浄化しましょうか?」


「フンッ…まだまだオマエごときに

浄化される私ではないわ!

まぁ…オマエが以前よりは

多少腕をあげた事だけは認めるがな」


『普通の会話じゃない…』


由里はその事に気付くのに

多くの時間を要さなかった


「お姉ちゃん・・助けて!コワイ!」


由里に必死でしがみつく男の子は

ガタガタと震えている・・・



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