とおりゃんせ2~日村令子の場合~
令子という女性は
バックの中から何やら取り出し
手に持った
一粒一粒が多角形にカットされた
透明の数珠だった
恐らく水晶で出来ているのだろう
天然石の好きな由里はそう思った
令子という女性が
その数珠を手にして構えると
アーチの向こう側の子供たちが叫びだした
「キャーーーーーーーッッッッ」
「助けて~」
「コワイ、コワイよ~」
「どこにかくれたらいいの?!!!」
公園中を走り回り子供たちは大騒ぎしている
既にアーチの向こう側の公園全体が
何か白い霧かもやか…膜のようなモノで覆われている
由里に必死でしがみついている男の子は
コートの男に叫んだ