初恋心
それから少し経って、「着いたけど?」と言われた。


私はバイクが止まった事にも気づかずに、まだ橋田夏弥の腰に手を回しながら目を瞑って背中に顔を埋めていた。


「ごっごめん!!」


そう言って慌ててバイクから降りた。


「あ、やっと敬語脱出したな。」


そう言った橋田夏弥のイタズラっぽい笑顔に私の胸はまたキュンと高鳴る。




「じゃ、行くから。」


「送ってくれて...ありがと。」


「おう。」


そう言って橋田夏弥は右手で軽く手を振ってからバイクを少し走らせた。


「あっ...えっと...橋田夏弥!!」


私はそう言って咄嗟に橋田夏弥を呼び止めた。
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