初恋心
「じゃあ、待ち合わせどこ?送ってく。」


「え...?いいですそんなの!!さよならっ!!!」


私はそう言って、急いで廊下を走って下駄箱に向かった。


教室を出た時後ろで、「待てよ!!」って叫び声がした気がしたけど追っては来なかったみたいで、後ろを振り返っても橋田夏弥はいなかった。


私は靴を履き、一安心して玄関を出た。




「麻依香っ!!」


え?


私がちょうどグラウンドの真ん中辺りを歩いていると、低いのに甘い響きのある声でそう呼ばれた。この声...もしかして...。


恐る恐る振り返ると...


丸い何かが斜め上から飛んできた。


「きゃっ!!」


「お~ナイスキャッチ!!」


何かと思ったらそれはバイクのヘルメットだった。そしてそれが飛んできた方を見ると案の定...バイクを横に停めた橋田夏弥がいた。
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