そこから先は
「お前、俺がなんで小春の『弟』だってわかるんだよ」



駆の興奮は一気に醒めていった。



コイツは自分たちの事を調べたのか…



ただの偶然か…



それとも最初から知っていたのか…



「そんなもんはお前のその幼い声を聞けばわかる」



どう考えても苦しい言い方だ。



駆の声は幼いどころか、同級生の誰よりも低く落ち着いているからだ。



「とにかく、受け渡しの日に絶対に金を持って来い。一秒でも遅れたらお前たち後悔するぞ」



犯人はまた一方的に電話を切った。



駆には犯人が無理矢理話を打ち切り、あわてて電話を切ったように思えてならない。



「よしっ!」



刑事たちが小さくガッツポーズをしている。



「どうしたんですか?」



駆が聞くと、口ひげの刑事が握手を求めてきた。



なんだかよくわからないが、駆はその手を取り、握手に応じた。



「逆探知に成功しました」



若い方の刑事がニッコリ笑いながら言った。
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