そこから先は
あたしが自分の居場所を知った時―



窓の外からは聞き慣れた音が聞こえてきた。



母校の校歌のメロディー………



下校時間を知らせる為のものだ。



あたしはこれを聴いて自分の居場所がわかったと同時に、もしかしてこの男は教師なのではないかと考えた。



教師なら、授業終了後すぐに学校を出れば午後4時に帰宅する事も可能なはずだ。



現に、あたしが中学に通っていたころにそんな教師がいたのだ。



「だったら……このままここにいさせて」



あたしは目をつむったまま言った。



男の大きくて優しい手を握り返しながら…



「それは出来ない」


「どうして?!」



あたしがそう叫ぶと、男は寂しそうな空気を漂わせた。



目が見えない状態だからこそ感じ取れる微妙な空気の変化………
< 111 / 133 >

この作品をシェア

pagetop