そこから先は
あたしは男の頭をそっとなでた。



もうわがまま言わないから………



そう伝えたつもりだ。



男もそれを感じたらしい。



「もうすぐここに迎えがくる」



男は大きく息を吸ったあとにそう言った。



何かを覚悟したように感じる。



「え?」


「さっきお前の家に電話をかけて、警察にここの場所を逆探知させたから」


「あんた捕まるよ…」


「当然だ」


「あたしが警察説得するから!人質が頼めばなんとかなるよ!」



あたしは必死だった。



誰かの為にこんなに必死になったのは初めてだ。



「いや。俺はちゃんと罪を償いたい。お前を誘拐して監禁したのは間違いないからな」



あたしは何も言えなくなった。



男の堅い意志を感じたから。



この人の言う通りにしよう………
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