そこから先は
         *



小春はアイツに惚れた。



アイツも小春に惚れた。



俺が何年小春の近くにいても出来なかった事を、アイツはたった数十日で成し遂げたのか……



駆は小春の泣きじゃくる様子を見て全てを悟った。



悲しみよりも笑いが込み上げてくる。



悲しい笑い………



「立てるか?」



駆は小春の泣き顔に問いかけた。



先程よりも、だいぶ落ち着いているように見える。



小春は駆の腕にしがみつくようにして立ち上がった。



少し痩せたように見えるが、衰弱している様子はない。



「怪我はないようですが、一応病院に行きましょう。お送りします」



若い刑事が言った。



駆はうなずき、小春の手を引きながらパトカーまで連れて行った。
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