そこから先は
「ちょっと待ちなさい」



あたしは金髪の生徒を呼び止めた。



「あんた、校則知らないの?金髪はさすがにまずいよ」


「うるせぇなぁ!別にいいだろ」



生徒はうんざりした顔で言った。



「よくないから言ってんでしょ」



まさか自分の口からこんな言葉を発する時が来るなんて思わなかったな。



時間ってすごい。



「なんでダメなわけ?」



あたしもよく教師にこの質問をしたものだ。



髪を染めたって、アクセサリーを付けていたって誰にも迷惑はかからないのだからいいじゃないかと思っていた。



いや、今でもまだそう思っている。



「やっぱりそう思うよな。一応注意しとかないとさ、あたしが他の先生に怒られるんだよ」


「なんだよ。そういうことかよ」



金髪の生徒は、悪友に見せるような笑顔をあたしに向けた。



少しは心を開いてくれたのかな。



「そういうことだよ。注意はしたからね。行ってよし」



金髪の生徒はもう一度にっこり笑うと、あたしの前から去っていった。



「そんな教師ありかよ」
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