そこから先は
男はほっとしたようだ。



ほんっとにバカだな、この男は。



どこの世界に人質と同じ布団で寝る誘拐犯がいるんだよ。



っつうか、そもそも人質をかわいそうだと思うこと自体おかしいんだよな。



だったら誘拐なんかすんなって話だし。



男はあたしの髪を乾かし終わると、ゆっくりベッドに連れて行ってくれた。



それでも、何かをされるかもしれないということは少しも思わなかった。



もし…



何かするつもりだったとしても、たぶんあたしは拒まないと思うけど…



「痛いだろう?」



そう言って、男はあたしの手を縛っているひもまではずしてくれた。
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