そこから先は
男の隣に寝ころぶと、最初は心臓が口から出てくんじゃねぇかと思うくらいに緊張した。



だけど、しばらくするとウソみたいに落ち着いた。



どこにいる時よりも安心する。



「ねぇ。なんで誘拐なんか思いついたの?」



あたしは目を閉じながら、隣に寝ころんでいる男聞いた。



「金が欲しかったからに決まってんだろ」



そりゃあ、そうか。



「だったらなんでさっさと受け渡しいないんだよ」


「だから、いろいろ準備があるんだって言っただろ」


「ふ〜ん」



とは言ったものの、あたしは全く納得していない。



引き伸ばす理由が何かあるはずなのに、それがなんなのかわからない。



男も話す気はなさそうだ。



「早く寝ろ」



男がそう言ったので、あたしは小さく返事をしてからしゃべるのをやめた。
< 99 / 133 >

この作品をシェア

pagetop