Tactic
そのまま、智也は体を半回転させ私を後ろから覆った。


「智也っ!離して!早く制服に着替えなきゃ…」


「なんで?いいじゃん。兄貴だってもう部活引退したんだし」


「で……でも」


こんな誰もいない場所で、こんなにくっついてたら心臓の音が……

きこえちゃう。


「そんなに嫌?」


「嫌よ!だって…」


ドキドキしてることバレちゃう。


「トーコは……そんなに兄貴が好きなんだ」


智也の唇が、私の頬に触れた。


これ以上、ドキドキさせないでよ…


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