Tactic
黙ったままのトーコに対し、俺は話を続ける。

「どうして?」

トーコは俺の傍を離れ、ソファーにゆっくりと腰をおろす。

そして、「わからない」そう小さく呟いた。


「わかんねぇって何だよっ?」

俺はトーコの元に勢いよく向かう。


暫しの沈黙、長くて長くて……息が詰まりそうだ。


「わからない…けど……けど私……っ」


瞬間、俺はトーコの唇に自身の唇を押しつける。

「智っ…」


一度離し、再びトーコの唇を奪った。

< 64 / 305 >

この作品をシェア

pagetop