【密フェチ】伝票に、恋と君の笑顔と…
伝票に、恋と君の笑顔と…
 年甲斐もなく、少しだけ浮き足だってしまういつも訪れる取引先。

終業間際のオフィスの入り口は静けさが広がり、まだ仕事が残る自分とは正反対の雰囲気だった。

「こんにちは!」

 扉を開くと同時に顔を出すと小さなベルの音が響き、そして現れるのはいつだって彼女の笑顔。

「こんにちは、いつもご苦労様です!」

 荷物と伝票を慣れた手つきで差し出してくる。

照らし出す蛍光灯に消えてしまいそうな白い肌をそっと添えた指が、微かに触れる。

本当にそれだけで、体の奥がずくんと疼く。

 本能にも似た自分を隠すように、数枚の伝票と荷物をチェックする。
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