セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
疲れているのか
ヒロは

目を閉じたままだ


白いワイシャツの首もとのボタンはとめられてなく

朱色のタイは
緩められている



私はそれを
セクシーだと思い


少し恥ずかしくなる



薬局で万引きを繰り返しているような劣等生だと
思われたのが悔しくて



追っかけてたはずなのに


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