セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
私はその日から



バーの常連に
なった


できるだけ
大人に近付いた

…おしゃれをして



華やかなピンクより
一輪のバラのような
深紅を



流行りのチョコレートブラウンより

切ない真夜中のような
漆黒を



私は選んだ




カウンターの片隅で

ライムを絞った


甘くない
ジン・トニックを
飲むんだ



友達は
「なんだか最近
大人っぽくなって
セクシーだね」


って言ってくれたのに



…肝心のケイは



「…ばーか」



って
言うだけだった


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