聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「動き出した原因、アレみたいよ」


顔がものすっごく晴れやかで。
足取りはふわふわしていて。

手まで大きく振っている?


「女の子には敵わなかったのねー、マリア君♪ 気持ちはよくわかるわー」


なんてことを悠長に言ってるな!!



「渡ったら死ぬぞ!!」

「主に言って生き返らせてもらえるんじゃない?」

「餓鬼が魂を手放すと思うのか? 無理だろうが!」

「じゃ、ブチのめせば?」

「喧嘩売ってるのか?」

「え。ボクが? 誰に? そんな心臓持ってないよー。チキンだもん」


チキン言うな!!


「じゃ、今すぐ連れ戻しに行っておいでよ。それこそ不本意だと思うけど」

「は?」

「プライドの高いミカちゃん的には『迎えに行ってやる』なんて、面倒だし、イラッともするだろうけど。

大切なマリア君を取り戻すには、もう君が行くしかないんじゃない?」


「うぐぐ……」


返す言葉に詰まる。


迎えにくらい行ってやる。


だが、アレごときになびくマリアに怒りがこみ上げる。
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