Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「母さん、もう、いいよな?」
キッチンに居たお母さんがニッコリ頷く。
「…どうゆう事?」
「颯斗に麻里を託すよ。俺らの役目は終わった」
「お兄ちゃんに…?」
「颯斗の奴、麻里が退院してからずっと夜中から朝まで玄関の前に土下座してるんだよ。お前との結婚を許してくれとな…。雨の日も雪の日もあいつは居た…」
慌てて窓を見ると、今年は例年より気温が低く雪も早くから降り始め、寒い日が続いていた。
そういえば…昨日店でお兄ちゃん、クシャミ連発で揚句には風邪薬飲んでたっけ…?
あたしが暖かい布団にうずくまっている中、お兄ちゃんは……。
もしかして今も玄関にいるの…?
あたしはとっさに立ち上がり玄関に向かおうとした。