先生の秘密は恋の予感
加東がニヤニヤ笑いながら、近づいて来た。



近付くな。


加東が耳元で囁く。


「初めての女としたことないから、本気でしてみたい。」


何こいてんだコイツと思っていると、耳にキスされ体が熱くなる。



「感じてる。」


止めろ変態やろう。


さっさと絵を終わらせろ。



「佳奈実って可愛いね。」



早く終わらないと、殴るぞ。


加東が生徒思いの良い教師だと思ってしまった事が悔しい。


「佳奈実は本城とつきあってるのか?」



はぁ?



付き合ってる訳ないだろうが。



「本城が佳奈実の話しかしないし、付き合ってるのかと思った。本城とは高校が一緒だった。」



ふ〜ん。


そうてすか。



「俺は本城が嫌いだ。あの熱血ぶりがウザい。」


そうだ、その通り。



「佳奈実は本城好きなのか?」



「嫌い、大嫌い! 」


あのホスト野郎を思い出しただけで、腹が立つ。



「今日も本城から逃げて来たんだろ。」


どうして分かった?



「ほら、お迎えが来たよ。」


え、振り向くと本城がいた。


どうして、いるの。


捕まってたまるか。








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