先生の秘密は恋の予感
本城が息を切らしながら近づく。



「佳奈実、見ぃーけ。」




とうして、何で、ここが分かった?



「佳奈実、教室に戻るぞ!」



本城が私を抱き上げようとすると。



「本城、佳奈実は俺のだから。」



俺のって?



「佳奈実を二時間かりたから、佳奈実を連れていくな。」



本城が私を見た。


一応モデルを引き受けたし。



「昼休みまで絵のモデルする事になったから。」


多分そうだと思う。



「そう言う事だから、悪いけど早く出ていけよ。」



「佳奈実はいいのか?」



「うん、加東と約束したし、お昼をおもって貰えるしね。」


本城が美術室から中々出て行こうとしない。



「昼は俺が買ってやるから。」


本城が昼飯を買ってくれるだなんて。



珍しい事があるもんだと思っていると。



「本城、さっきから言ってんだろうが、さっきと出てけよ。」


怖い。


「加東、佳奈実に手だすなよ。」



加東がニヤリとわらった。



「それはどうかな。本城の可愛いお姫様頂くのもいいかも。」



二人は睨みあったまま。



「俺が許せないなら俺を恨め。佳奈実には関係ない、手は出させないから。」


ちょっとやめてよ。



二人のゴタゴタに私を巻き込まないで下さい。



「それはどうかな。」



二人の間にいったい何があるのだろうか。


子供の私には全く分からない世界です。


本城のこんな真剣な顔を始めて見た気がする。









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