先生の秘密は恋の予感
本気の恋って、どんな感じなのかな。


「今度こそ本気の恋しなさい。佳奈実はいつも逃げてる。
本気で好きになるって、凄く幸せなんだからね。」


そう言われても現実味がない。


軽く返事をした。



「は〜い。」



芽衣にはすてきな彼氏がいる。



どうして私だけ、うまくいかないのだろ。




高校に着き、受付を済ましてクラスに向かう。



芽衣とは同じA組だった。


二人で喜んでA組に向かう。



担任は誰なんだろ。



優しい女の先生がいいなぁ。



教室に鞄を置き、クラス別に並び体育館に向かう。



後ろの席でおばあちゃんを発見。



今おばあちゃんに睨まれような気がしたけど。



髪染めた事、ばれた?



軽く化粧してる事も、ばれたのか?



長い髪は横にまとめてきたし。



何処が気にいらないのよ。



又怒られるのだけは、やだ。



おばあちゃんが気になり、下を向いていると、隣の席の子が声をかけて来た。



「大丈夫?気分が悪い?」



声を掛けて来たのはいかにも真面目そうな、眼鏡を掛けた男子だった。



「ありがとう、大丈夫だよ。」



私はニッコリ笑って彼を見た。


笑うのは癖だから。


笑っていれば、何でもまるくおさまるし。


おばあちゃんの説教から、逃げる手段。


いつも笑って、適当にごまかして逃げた。









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