しなやかな腕の祈り
おばあちゃんとお母さんはかなり長い時間話して、いつの間にか電話を切っていた。
電話を切った後も、おばあちゃんはしばらく泣いていた。
笑いながら、泣いていた。
感慨に耽っていた時、あたしはふと思い出した存在があった。
「あっ!!啓太の存在忘れとった!!!!」
啓太とは、あたしの彼氏。
あたしの所属するフラメンコ教室兼舞踏団のスパニッシュギター演奏者だ。
同い年で、家も近くあたしが舞台で1人踊る時は必ず啓太が演奏で付く事から仲が深まって、二年前に付き合った。
『お前どこで何してたんやって、ホンマ』
急いで掛けた電話の受話器の向こうで、明らかに啓太は怒っていた。
「あ-…ゴメン、その…」
言葉を濁すしかないあたしに、啓太は輪をかけて喋ってきた。
『スペイン行ってたんやって??
静香叔母さんに聞いた』
「何…知ってんじゃん」
スペインへ行く事を啓太に告げるのをあたしは忘れていた。
何回電話をかけても繋がらないことで心配した啓太は、居てもたってもいられずに家に押し掛け、事の顛末を叔母さんに聞いたらしい。
電話を切った後も、おばあちゃんはしばらく泣いていた。
笑いながら、泣いていた。
感慨に耽っていた時、あたしはふと思い出した存在があった。
「あっ!!啓太の存在忘れとった!!!!」
啓太とは、あたしの彼氏。
あたしの所属するフラメンコ教室兼舞踏団のスパニッシュギター演奏者だ。
同い年で、家も近くあたしが舞台で1人踊る時は必ず啓太が演奏で付く事から仲が深まって、二年前に付き合った。
『お前どこで何してたんやって、ホンマ』
急いで掛けた電話の受話器の向こうで、明らかに啓太は怒っていた。
「あ-…ゴメン、その…」
言葉を濁すしかないあたしに、啓太は輪をかけて喋ってきた。
『スペイン行ってたんやって??
静香叔母さんに聞いた』
「何…知ってんじゃん」
スペインへ行く事を啓太に告げるのをあたしは忘れていた。
何回電話をかけても繋がらないことで心配した啓太は、居てもたってもいられずに家に押し掛け、事の顛末を叔母さんに聞いたらしい。