満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「あなたも使えたのね。不侵脚(ふしんきゃく)。」

不侵脚。それがチェーンが人知を超えたスピードで動くことが出来る理由、その為の技である。

そして短い期間で千草が誠に仕込んだ一つでもある。

「誠に使えるんだもの私に使えないわけないじゃない。」

glasses witchはそう言いながら手を天にかざした。

「くるよ。」


千草は宙から降りてきた誠に呟いた。

glasses witchの頭上には矢が浮遊している。

矢はパリパリと音を発し、雷で作られたことが理解できる。

「誠、武器を造るならこれくらいしないとね。」

空に浮かぶのは雷の矢。

それ事態は誠が炎を刀にしたのと変わらない。

物質の形を定義しただけ…。

しかし、異なるのは質量。

空に浮かぶ矢は空を覆い隠さんばかりに展開している。

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