満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑

8-Ⅱ

ズルズル、ズルズル。

シャクシャクシャクシャク。

ここは幸政のマンション。

2LDKのマンションのリビングにはラーメンを食べる音が響いていた。

ちなみにネギ塩ラーメン。

作ったのは綾香である。

独り暮らしの幸政のには似つかわしくない大きめなテーブル。

五人はそこに座ってラーメンを食べていた。

正確には一人、千草だけが箸を握ってもいなかったが…。

「どうしたの?食べないの千草ちゃん。ラーメン嫌い?」

綾香の言葉…。

「そんな訳では…。何故、私の名前を…?」

千草は未だに緊張のほどけない顔で綾香を見つめた。

「そりゃ、幸政からね。」

ズルズル。

「それが分からないんだけど…。」

シャクシャク。

誠がネギを口に頬張りながら口を挟む。

何故か誠の顔には千草よりは余裕が見られる。

綾香の性格に慣れているといったところだろうか…。

「それ?」

「なんで綾香ネェと幸政さんが一緒にいるのか。そもそも、変な言い方だけど何故幸政さんは生きているのか。」

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