満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「ん~。まずね。私と幸政は仲間だから一緒にいる。それで幸政がチェーンから抜ける為に死んだ様に偽装した…ってところかな。」

その綾香の話に千草は幸政に目をやった。

「本当ですか先輩。

魔女と仲間だなんて…。」

チェーンから見れば魔女は敵。相対すべき、決して交わるべきではない存在である。

千草の視線に幸政は箸を置き千草を見つめる。

「事実だ。目的の為に綾香と手を組み、お前を騙した。」

「その目的は?」

淡々とした口調で千草は次の質問を投げ掛ける。

「敵の殲滅だ。」

「敵とは?」

「魔法組織 73'S ソロモン。
それが私達の敵よ。」

綾香が答えた。

「73'S ソロモン?」

聞きなれない単語に誠が口を挟む。

「世界を滅ぼそうとしている組織よ。」


「私達チェーンの一番の敵……。でも…。」

千草が口を開き、言葉を繋いだ。

「何故、チェーンを裏切るようなことを…。」

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