満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「いいよ。」

ごく普通に、少しお使いを頼まれたぐらいの感覚の軽い返事だった。

…もともと、綾香ネェを護るために魔法を覚えて、綾香ネェと戦ったんだ。それなら…。


「私も…、いいですよ。大元の目的は一緒みたいですから…。」


そう言って千草は初めて綾香に向けて微笑んだ。

「そう。」

二人に向けて綾香が笑顔を向ける。

「お前ら、よく考えなくていいのか?下手すれば死ぬぞ。」

幸政が真剣な顔で二人を覗き込む。

それに

「そんなことはチェーンに入った時から覚悟してますから。」

千草が応え、


「俺も覚悟はできてます。

実際、今日も死にかけたようなもんですしね。」

誠も応えた。

二人とも顔は笑ってはいるが、目にはハッキリと、その意志があらわれている。


「そうか。」

そう言って幸政も微笑んだ。


「ありがとう。」

綾香が笑顔で言う。

その横ではハルフォスもニッコリと笑っている。

「そして、ようこそ、73'Sソロモン抵抗組織 サリエルへ」

そう言って

魔女は笑った。









第一部 完

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