満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑

1-Ⅳ

誠、イトー、千草の三人は十人がやっと入る程度の小さな教室に場所を移して話ていた。

話題は怪盗glasses witchについてである。

教室にはホワイトボートだけが置かれている。

キュキュキュ。

イトーはホワイトボートに日付を書き込んでいく。

日付は約一ヶ月間隔、4つ目には昨日の日付が書かれた。

「これはglasses witchによる犯行があった日付。これを見ると…。」

「一ヶ月位づつ間があいてるわね。」

千草がポッっと言った。

「そう。」

「けど正確にはこの日付は。」

「満月の日なんだ。」

イトーはコンコンとペンで書かれた日付をコヅく。

「つまり、glasses witchは満月の夜にしか盗みをしない。」

「だから、次にglasses witchが現れるのは約一ヶ月後の満月の晩。」

イトーは、どうだ、と言うように胸を張って見せた。

しかし、悲しいかなイトーには二種類の視線が向けられている。

一つは千草の感心したようにいつもより少し大きめに見開かれた瞳からの視線。

もう一つは誠のドヨンとしたオーラから発せられる、コイツ、アホじゃねぇか?という感情が十二分に感じられる視線である。

無論、千草に注目しているイトーに誠の視線に気付く余裕は無かったが…。
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