満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「あっ」

外部屋から千草の声が聞こえる。

ドアが空いているだけの無響室ないなのでその声も変な感じがするが…。

「ゴメン。ちょっと忘れ物。ロッカーから取ってくるからちょっと待ってて。」

千草が無響室のドアから顔を覗かせて、そう言い、廊下へ続くドアの方へ歩を進めていった。

「わかりました~。」

誠がそう言い終わるか終わらないかの間でドアは廊下へ続くドアはバタンと音を立てて閉まった。

無響室からそれは見えないが、焦って出ていったのが誠には想像できた。

…一体なにを聞かせようとしてるんだか。
こんなところまで連れてきて。

ハァ。と誠がため息をついた時、バツンと音がして部屋の証明が消えた。

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