36.8℃の微熱。
 
「・・・・ち、ちょっと!」

「なによ!」

「あぁん?」


あたしは、意を決して修羅場の中にデデーン!と飛び込んだ。

先生がロリコンかどうかは知らないけど、あたしに彼女のフリまでさせて見栄を張りたい・・・・のかどうかも知らないけど。

でもっ。

せっかく会いに来たんだからっ!

本当に落ち込んでるの、あたし間近で見てきたからっ!


「2人とも冷静になって話し合ってくださいよ!あたし、先生が講師してる塾の生徒で、彼女のフリしてって頼まれたけどっ!」

「・・・・」

「・・・・」

「だけど先生、本当はすっごく落ち込んでるんだから!だから・・・・うまく言えないけど、先生はまだ小春さんが好きなんですっ!」


ハァハァ・・・・。

い、言ったぞあたし。

絶対にお節介だし、あとで先生に怒られちゃうだろうし、小春さんの顔めちゃくちゃ怖いし。

だけどだけどっ!


「・・・・柊、本当なの?」

「あー、うん・・・・俺じゃダメ?」


それでちゃんと話し合ってもらえるなら、今はいいや。
 

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