36.8℃の微熱。
 
───*。゚



「へぇ〜、頭よりカラダって感じの茜ちゃんがねぇ。珍しいこともあるもんだわさ」


その日の学校帰り。

そのことを話したら、ユカ様に軽く感心されてしまった。

最近ご無沙汰だったけど、春に放課後デビューしたあのマック。

そこで小腹を満たしながら、あたしのモヤモヤする気持ちを聞いてもらっていた。


「なんかそれ、ちょっとアヤシイからやめてよユカ様・・・・」

「だってそう思ったよ? あのときは決めたら早かったじゃん」


ユカ様の言う“あのとき”とは、王子に先生を知ってほしいと言いに行った日のことだ。

あれからあたしはユカちゃんのことを“ユカ様”と呼ぶようになって、王子はちょっと変になった。


「それは・・・・まぁ、ね。でも今は状況が違いすぎるよ。あのときみたいに思い立ったら即行動!とかできないし。てか後悔してるし」

「そうなの?」

「そうだよ!あんな王子、あたしが知ってる王子じゃないよ・・・・」

「そうさせたのは茜ちゃんでしょうが。もう過ぎたことをつべこべ言うんじゃないの」
 

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