36.8℃の微熱。
 
とか。


「勉強しろー!ってうるさくない感じがいいよな。俺の母ちゃんなんてガミガミガミガミ・・・・」

「あー、俺んちも。塾に来るとなんか落ち着くんだよなぁ」

「そうそう!」

「変なプレッシャーをかけてこないっていうか、かけられてるんだけど嫌じゃないっていうか」

「だなー」


なんていう会話をよく耳にする。

女の子からの人気ばかりだと思っていたけど、実は男の子の人気もしっかりつかんでいた先生。

う〜ん、さすがだ。

また、あるときは・・・・。


「おらお前ら、差し入れだぞー。ほかの先生には言うなよ?」

「なになに!? アイス!?」

「わーい、わーい!」


と、どういう風の吹き回しなのかアイスをごちそうしてくれて。

それがちゃんとあたしのぶんもあったことにジーンときたり・・・・。


相変わらず、全く“あのとき”の話題には触れてこない先生、触れられないあたし、という関係ではあるけれど、少しずつ。

少しずつ、先生を見る目が変わってきたことは、夏休みに入ってからの進歩だと思う。
 

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