36.8℃の微熱。
 
そうしてあたしたちは、それぞれの布団で眠りにつくことにした。

さっきはねのけられた布団を、もう一度きちんとかぶり直して。


「おやすみ〜、茜ちゃん」

「おやすみ〜」





───けれど。





目を閉じて数秒後。

部屋のドアがバンッ!と勢いよく開いたかと思ったら、パチパチッと明かりもついた。

そして・・・・。


「茜!アイツに告白したってホントか!? 好きだったのか!?」

「「ギャーーッ!!」」

「ギャーッ!」


突然部屋に乱入してきた王子に、あたしたち2人はあらんかぎりの声で叫んでしまって。

その叫び声で、王子もなんでか知らないけどつられて叫んで。

甲高い叫び声と太い叫び声がほぼ同時に海の家の中に響き渡った。


「どうしたの!? 何事!? ユカ!茜ちゃん!2人とも無事!?」

「江田ちゃん!」


その直後、声を聞きつけて飛んできたマリアンヌさんと先生。

マリアンヌさんはネグリジェ姿に木刀を携えて、先生はジャージの短パンに上半身が裸で・・・・。
 

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