36.8℃の微熱。
 
「えぇ〜? いくらなんでも行かないでしょ〜、こんな日にさぁ」


話し終えると、ユカ様は眉間にシワを寄せてそう言った。

手も首も横に振り、ナイナイナイという動きのオマケまで付けて。


「でもさ、やっとのことでこぎつけたことなの。気が変わることもあるだろうし、やっぱり行ったほうがいいんじゃないかと」

「マジで言ってんの?」

「うん、マジ」


それでもあたしは食い下がる。

雨だろうが風だろうが台風だろうが、約束は約束。守らなければ!!

それに、約束を取りつけるまでにどれだけの労力を費やしたことか・・・・それを思うと、あたしには天気の事情なんて関係なかった。


「だって見てみなよ、外。茜ちゃん、アナタ死ぬよ? いいの? たった15年の人生にこんな形で終止符を打って」

「んな、オーバーな・・・・」


そうして、2人で窓の外に目をやった瞬間───・・。


ゴロゴロッ!! ピカッ!!

ズドーーーーン!!!!

遠くのほうで雷が落ちた。


「ひぇぇ・・・・」


おヘソ取られるっ!
 

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