36.8℃の微熱。
 
だって。

ユカ様とサトルさんが“立場”という壁を乗り越えて見事カップルになったし、細田さんのラーメンもチャーハンも美味しかったし。

それに、照れたときになる先生の癖───鼻ピクピク、しっかりこの目におさめることもできて。

先生に少し近づけた気がした。


「きゃーっ!! あたしすごいの見ちゃった!やった、やった!!」


ベッドの上で足をバタバタさせながら、とびっきりの感動に浸る。

ほんのちょっとだけだけど高校生の頃の話も聞けたし、好みのタイプも“少々変な女の子”が好きだって分かったし。

こんなにいい日があると次は嫌な日が来るかも・・・・なんて、正直あとが怖かったりもするけど。

だけど、それでも幸せだなぁって思うんだよね、あたし。


「おいで、あんこ!」


自分のお家で丸くなっていたあんこを抱き上げてベッドに乗せる。

最近は同じ部屋にいても一緒に寝ていなかったけど、今日は特別、ぎゅーっと抱きしめて眠りたい。


しばらくすると、あんこもあたしもウトウトしてきて・・・・そのまま朝までぐっすりだった。
 

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