36.8℃の微熱。
 
おかしいもん、絶対。

大声だって出ますわよ、そりゃ。


そのせいで下校途中の生徒の視線を一気に浴びるサトルさんは、ものすごくあたふたしているけど。

自業自得だよね、コレ。

“まだ”不審者になりたくないなんて変なことまで言うし、じゃあ“いつか”はなりたいんですか?って逆に聞いてやりたい。

デート共々、意味不明・・・・だ。

すると。


「とにかく!今日は塾サボって俺とデートしよう!そうしよう!!」

「・・・・えっ!? ちょっと!!」

「バイク出すよ、俺の腰にしっかり腕回して!とりゃーっ!!」

「うわっ、なんでぇぇぇぇ〜!!」


いきなりメットを被せられたかと思ったら、腕をつかまれ、バイクに乗せられ・・・・ついに発進。

抵抗しようにも全くさせてもらえなくて、あたしは生まれて初めてバイクに乗ってしまっていた。

その発進のさせ方もこれまた急でおっかないったらなく・・・・落っこちないようにサトルさんの腰に必死でしがみつくしかなかった。


何コレ、何コレ、何コレ!?

一体どういうこと!?
 

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