36.8℃の微熱。
───*。゚
「はいっ、到着〜!中入って待っててくれる? すぐに行くから」
やがて、あたしを乗せたバイクは見慣れたお店の前に止まった。
そう。
ユカ様と何度となく来たマック、そしてケンカの原因になってしまった忌まわしきマック。
サトルさんはそう言ってあたしからメットを外したけど・・・・ぶっちゃけイヤミでしょうか。
「あれ? 中入んないの?」
バイクから降りてもいっこうに動こうとしないあたしを見て、サトルさんは首をかしげる。
そんなサトルさんに対して、あたしは“のん気に首なんかかしげやがって!”と怒りが沸騰した。
「そうじゃなくて!! さっきから何回も聞いてますけど、サトルさんの目的はなんなんですか!?」
「目的? だからデートだって」
「違う、絶対違う!分かってますか!? 2人でいるところをユカ様に見られたら、それこそサトルさんもあたしも終わりですよ!?」
「大丈夫だって〜」
けれどサトルさんはこの調子。
“のれんに腕押し”状態で、何を言っても全く手応えがない。