36.8℃の微熱。
 
───*。゚


「はいっ、到着〜!中入って待っててくれる? すぐに行くから」


やがて、あたしを乗せたバイクは見慣れたお店の前に止まった。

そう。

ユカ様と何度となく来たマック、そしてケンカの原因になってしまった忌まわしきマック。

サトルさんはそう言ってあたしからメットを外したけど・・・・ぶっちゃけイヤミでしょうか。


「あれ? 中入んないの?」


バイクから降りてもいっこうに動こうとしないあたしを見て、サトルさんは首をかしげる。

そんなサトルさんに対して、あたしは“のん気に首なんかかしげやがって!”と怒りが沸騰した。


「そうじゃなくて!! さっきから何回も聞いてますけど、サトルさんの目的はなんなんですか!?」

「目的? だからデートだって」

「違う、絶対違う!分かってますか!? 2人でいるところをユカ様に見られたら、それこそサトルさんもあたしも終わりですよ!?」

「大丈夫だって〜」


けれどサトルさんはこの調子。

“のれんに腕押し”状態で、何を言っても全く手応えがない。
 

< 503 / 555 >

この作品をシェア

pagetop