MH
パンチ力3トン、キック力10トン。

最早人間と呼ぶには超越しすぎた戦闘能力だ。

「素晴らしいぞMHⅡ。流石は私の作り上げた改造人間…私の予想を超えた数値を叩き出してくれた」

「……」

私の賛辞にも、MHⅡは無言のまま構えを解かない。

「どうだMHⅡ、今からでも遅くない。その拳を引き、再び機関に忠誠を誓え。君のその能力ならばすぐに機関の幹部クラスに昇格できるぞ。縮小してしまった機関を立て直し、この国を…いや世界を掌握できるだけの権力を…」

言いかけた瞬間。

「!」

私の戦闘補助用CPUにアラートが響く。

直後、私の首を刈り取るかの如き、MHⅡのローリングソバット!

咄嗟に上体をのけ反らせ、私は辛うじて回避に成功した。


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