愛されて
「パパ、待って…」

私はパパを呼び止めた。

「今日はありがとう…それに、ごめんなさい」

「何で謝るの?」

「だって、妊娠のこと…ずっと黙っていて、こんなことになって…ごめんなさい」

私が言うと…パパは。

「パパの方こそ、ごめんな。遥香の妊娠に気づいてあげられなくて…誰にも言えなくて辛かっただろう」

パパの言葉に胸が熱くなった…

「遥香、お前はまだまだ子どもだ…今から、今まで以上につらいことがあるよ。世間だって…冷たい。だけど、遥香は一人じゃないから…おばあちゃんだって、歩香だって周りにはいるから一人で頑張りすぎないように…」

パパはベビーベッドを見て。

「それと…幸香を産んだこと、後悔しないように…」

言った…

絶対に後悔なんかしない…私はそう誓った。
< 277 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop