夏のソラ

「別にどーでもいいよ。雨…嫌いだから雨の音聞こえる式場行きたくないの」

「ふ~ん…お前、雨嫌いなんだ。俺は好き…」

面倒くさそうに話してるけど…透き通るような綺麗な声で思わず聞き入ってしまう。
「なんで?雨なんて空見えないし、憂鬱になるし…嫌いだよ」


「……」


少しの沈黙。
でも、全然居心地の悪い感じはしなかった。



「雨はさ、嫌な所もあるけど…最後には虹をかけてくれる。心のもやもやを消してくれる水なんだって思ってんだよ。だから俺は…好きだよ」



相変わらず面倒くさそうに話してるけど、なんか優しい声に聞こえるのは、私の思い違いかな?
きっと、いい人なんだろうな。






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