夏のソラ

…って、顔も見てないのにこんな事思うなんて私どうかしちゃってるよねッ!!
これも…雨のせい?



「って、何言ってんだろうな、俺。名前も知らない奴にこんなこと話して」
そう言うとその人は優しい声で笑った。
少しだけ…少しだけドキッとしたのも、きっと雨のせいだよね?


「そんなこと、ないと思う!!すっごくいいと思うよ!!私も、雨…少しだけ好きになれた気がする!!」
何必死に言ってるんだろう私。
ほら、あの人もまたさっきみたいに笑ってる。


「ぷッ。何笑ってるのよ」
そのまま私たちは短い時間、長く笑っていた。

「お前さ、面白いな。俺が言った事に必死になって返事してくれたり。そうだ、名前なんていうの?」

まだ、可笑しそうに笑いながら聞いてきた。


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