真紅のジョリーロジャー
「こっこの子が?!」


驚きを隠せないウ゛ァンは瞬きも忘れ、代わりに口をパクパクとさせている。

ハァッという短い溜め息を漏らしたトエルは自慢げに
「そんなに信じられないならこの子を船に乗せてみなさいよ」
と言った。

◇◆◇

3人が乗った漁船は波にゆられている。
空には、白い雲が所々に浮かんでいた。

「じゃぁセピア。今日のこれからの天気でも教えてよ」
トエルにセピアと呼ばれた少女は、愛らしい動作で了承を示した。



セピアは、水面を見渡して目を閉じ風を受けた。


< 6 / 13 >

この作品をシェア

pagetop