最後の恋はアナタの隣で
だけど、そんな言葉とは裏腹に、千秋は手際良くカクテルを作り終え、それをコースターの上に乗せると、私の前にスッと差し出してきた。


赤みの強い綺麗なオレンジ色が、グラスの中でユラユラと揺れる。


喉の奥に一口流し込むと、甘酸っぱい味で満たされた。


「すっごい美味しい……」

私の口からは自然にそんな言葉が出てきて、それを聞いた千秋は嬉しそうにニッコリ微笑む。


春樹さんが言った通り、カクテルはジュースみたいな飲み物だった。


あまりにも飲みやすくて、調子に乗った私は一気に飲み干すと、再び同じ物を注文した。



「――…涼。飲みすぎじゃないか?」

二時間ほど経った頃。

私はいい感じの酔っ払いに進化していた。


心配そうな声を投げ掛けてきた春樹さんが、私の髪の毛を優しく撫でる。
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